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うさぎさんの病気について KNOWLEDGE

胃腸停滞

飼い主さんの声

飼い主さんの声 飼い主さんの声

昨日から食欲がない。

胃腸停滞

当院の獣医師より

ウサギは、さまざまな要因によって胃腸の蠕動運動が低下(胃腸停滞)してしまいます。ウサギは嘔吐をすることができないため、蠕動運動が低下すると胃の内容物が過剰に蓄積してしまい、胃の中で粘土のように固まってしまうこともあります。とくに換毛の時期は飲み込んだ被毛と食べ物が絡んで停滞しやすくなります。胃腸停滞が慢性的に続くと胃潰瘍や胃腸の閉塞を併発し、重篤な経過を辿ることもあります。また、他の疾患が原因で食欲が低下して二次的に胃腸停滞を起こすこともあります。
以下、ウサギの胃腸停滞について説明します。

食欲不振の鑑別疾患

  • ストレス
  • 繊維不足
  • 異物(毛球)
  • 疼痛
  • 腎疾患
  • 肝疾患
  • 生殖器疾患
  • 感染症
  • 歯牙疾患
  • 心不全
  • 腫瘍など

症状

食欲不振、元気がない、便が小さい・少ない・形がいびつ、お腹が痛い、など

検査

  • 身体検査
  • X線検査
  • 造影X線検査(バリウム)など

治療

  • 投薬

    胃腸の動きを促す蠕動促進薬、痛みを緩和する鎮痛薬、食欲を刺激する食欲増進薬などを使って治療します。

  • 点滴

    食欲低下による脱水の改善や電解質の補正のために点滴を行います。通院では皮下点滴をしますが、入院して静脈から点滴をすることもあります。

  • 強制給餌

    経口的に食事を摂って胃腸の動きを促すため、シリンジなどで強制的に流動食を与えます。ウサギが嫌がることも多く飼い主さんからは嫌煙されがちですが、大事な治療の一つです。

  • 外科的治療

    毛球などで完全に胃が閉塞してしまっている場合は手術が必要になります。胃切開術にて胃の内容物を除去します。

  • 基礎疾患の治療

    別の病気があり二次的に胃腸停滞になっている場合は基礎疾患の治療も必要です。特に歯牙疾患(歯が伸びてしまって口の中が痛い状態)は多く、全身麻酔をした上で伸びた歯を削ってあげる必要があります。

予後

ウサギの胃腸停滞はしっかり治療をすれば治る病気です。しかし、発見が遅れたり飼い主さんの判断で様子を見ていたりして治療が遅れてしまうとみるみるうちに全身状態が悪化し、そのまま死に至ってしまうこともある怖い病気です。普段から食欲や便の様子を観察し、いつもと違うときは早めに病院へ連れてきてあげてください。早期発見・早期治療を心がけましょう。

治療内容を写真で見る

  • 胃の中に食べ物の塊とガスがたまっています。

  • 手術によって取り出した毛球です。(別症例)