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その他のどうぶつさんの病気について KNOWLEDGE
モルモットの眼窩膿瘍
飼い主さんの声
眼が飛び出してきている。
眼窩膿瘍
当院の獣医師より
モルモットの歯は常生歯と呼ばれ、生涯に渡り伸び続ける性質を持っています。牧草を主体に食べて噛み合わせることによって歯が磨耗し、歯の長さが一定に保たれます。しかし、何らかの原因で歯の噛み合わせがずれてしまうと、磨耗が十分に行われず不正咬合という状態になります。この時、口腔内に出ている歯の部分(歯冠)だけでなく歯肉の中に埋まった歯の根本の部分(歯根)も同様に伸びるため、様々なトラブルを引き起こします。
今回の症例は、上顎の臼歯の歯根が伸びて眼球の裏側に膿が溜まり、眼球が外側に飛び出してきてしまいました。この膿(膿瘍)は飲み薬や注射では治療が難しく、膿を排出するために眼球を取り除く手術と歯並びを整える処置をしました。術後しばらくは排膿が続きましたが、飲み薬や点眼薬、洗浄を継続して行い現在は良好に経過しています。
不正咬合の原因
- 栄養不足(ビタミンC欠乏)
- 歯の磨耗不足(牧草不足)
- 加齢性変化
不正咬合の症状(臼歯の場合)
- 食欲の低下、元気喪失
- よだれ、口周りの毛が濡れる
- 白っぽい目やに
- 眼球突出
- 顎の周囲のできもの、膿
不正咬合の治療
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歯冠の過長の治療
伸びすぎた歯を削るためには、全身麻酔下で大きく口を開ける必要があります。専用の器具を使って伸びた歯を正常な形に研磨します。頬の粘膜が傷ついている場合は抗生物質を使用することもあります。
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根尖周囲膿瘍の治療
臼歯(特に下顎)の根本が伸びてその周辺に膿がたまるため、皮下膿瘍として発見されることが多く、自然に排膿して初めて気づく場合もあります。膿瘍は切開または切除して取り除く必要がありますが、場所や経過によっては完治が難しくなります。原因となっている歯が動揺歯(ぐらぐらして抜けそうな歯)になっていれば抜歯します。
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眼窩膿瘍の治療
眼球の裏側に膿瘍ができてしまうと内科的な治療が難しく、眼球とその奥の膿瘍を全て摘出する手術が必要になることが多いです。そのままにしておくとやがて眼球が壊死し、全身状態の悪化を招く恐れがあります。
予後
軽度の不正咬合であれば定期的に歯を研磨することで良好に保つことができます。しかし膿瘍を形成してしまうと治療が難しく、リスクの高い手術や排膿の処置が必要になるため、できる限り早い段階で発見して治療を始めることが望ましいです。歯の痛みは分かりにくいことが多いですが、いつもと違う様子がありましたら早めにご来院ください。