脳腫瘍

発作が重なり、重積発作の状態となっていました。重積発作は脳に不可逆的なダメージが起き、最悪の場合死に至る可能性があります。この子はすでに３０分間発作が続いていたので、緊急処置が必要な状況でした。血液検査、その他検査では明らかな異常はなく、脳の疾患を除外するために全身スクリーニングを兼ねてCT検査を行うと、脳に腫瘍が見つかり、腫瘍が脳を障害することで発作が起きたと考えられました。数日間昏睡状態が続きましたが、様々な内科的治療にて意識を取り戻し、日常生活が普通に送れるまで回復しました。その後もコントロール治療で数年生きることができました。絶望的な状況でも諦めず治療することの大切さを改めて感じました。

当院ではCT導入後、今まで調べることの出来なかった領域を検査できるようになりました。 その中で、高齢動物の脳腫瘍が見つかるケースが時々あります。 症状は様々ですが、診断がつくことで、その後の治療プランをしっかりと立てることができるよ うになりました。