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いぬさんの病気について KNOWLEDGE

再生医療が奏功した慢性膵炎

飼い主さんの声

飼い主さんの声 飼い主さんの声

以前より嘔吐や下痢を繰り返している。

慢性膵炎

当院の獣医師より

膵炎とは何らかの原因で膵臓に炎症が起こる病気です。膵炎の病態は様々で、急性に急激な症状が出ることもあれば、慢性に経過し徐々に悪化する場合もあります。特に慢性膵炎になってしまうと壊れた膵臓の組織が治ることはなく、悪化と良化を繰り返しながら長期の経過を辿ることもあります。
今回の症例は、慢性膵炎による食欲低下や嘔吐下痢を繰り返していました。2〜3ヶ月ごとに調子を崩し、その度に急性期膵炎用抗炎症剤などを使用して集中的な治療をする必要がありましたが、再生医療を実施してから1年近くは対症療法のみで過ごすことができました。慢性膵炎を完治させることは難しいですが、再生医療によって大幅なQOLの改善が得られたことは飼い主さんも喜んでおられました。
再生医療はまだまだ研究途中の分野ではありますが、難治性の病気の症状を軽減させたり、元気や食欲の低下を改善する手段としても期待がもてる治療法です。

再生医療の対象疾患(犬)

  • 慢性腸症(CE)
  • 肝炎
  • 膵炎
  • 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
  • 免疫介在性血小板減少症(IMTP)
  • 非再生性免疫介在性貧血(NRIMA)
  • 赤芽球癆(PRCA)
  • 再生不良性貧血(AA)
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 急性腎障害
  • 椎間板ヘルニア
  • 非感染性髄膜脳脊髄炎
  • 外傷性脊髄損傷
  • 関節炎(変形性関節症・免疫介在性多発性関節炎)
  • アトピー性皮膚炎
  • 天疱瘡(尋常性、落葉状)
  • 乾性角結膜炎

再生医療の方法

人工的に分離・培養された幹細胞を、点滴とともに血管から投与します。投与中の1〜2時間は点滴が外れないようにじっとしておく必要がありますが、獣医・看護師が保定しますので麻酔は必要ないことがほとんどです。投与に痛みは伴いません。

安全性について

再生医療の副作用として肺血栓塞栓症や一過性のアレルギーが報告されていますが、これらの有害事象は薬剤の併用や投与手段の留意によってほとんどが回避できます。

再生医療の有効性

長期の治療で改善が見られない、薬の副作用で長期治療ができないなど、難治性の病気に対する新しい選択肢として研究が進められています。病気によって度合いは異なりますが良好な結果が次々と報告されています。
また、今回の症例のように慢性的な病気に関しては複数回の投与も可能です。効果が落ちてきたというタイミングで再度投与することで改めて効果が期待できます。
当院は動物再生医療技術研究組合に加入し再生医療に積極的に取り組んでいます。ご興味のある方は獣医までご相談ください。

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