外耳炎

外耳炎は鼓膜よりも外側の耳道に炎症が起こる病気で、動物病院でとてもよく遭遇する病気の一つです。飼い主さんが痒みや匂いといった症状に気づかず、健康診断で発見することもよくあります。外耳炎の原因は多岐に渡り、複数の原因が絡み合っていると慢性化しやすくなります。
以下、外耳炎について説明します。

耳の痒み、くさい匂い、赤く腫れる、頭を振る、耳を触ると怒る、など

• 身体検査
• 耳鏡検査
• 耳垢検査
• 細菌感受性検査

• 外耳道洗浄

  専用の洗浄液を使って外耳道を洗浄します。基本的には病院で洗浄し、耳垢を除去した後に点耳薬を使用します。耳垢が多い場合は自宅で洗浄してもらう場合もあります。

• 点耳薬

  症状の重症度や原因によって点耳薬を使い分けます。ステロイド、抗菌薬、抗真菌薬の合剤が多く、成分の違いによって様々な種類があります。

• 投薬

  外耳道洗浄と点耳薬では治らない場合、飲み薬を併用します。点耳薬と同様、ステロイド、抗菌薬、抗真菌薬を使うことが多いです。

外耳炎は適切な治療を最後までしっかり続けて根治させることが大切です。中途半端に治療を中断してしまうと、慢性化してしまうことがあります。また、基礎的な疾患（アレルギーや内分泌疾患など）がある場合はそちらの治療も必要になります。重症化すると中耳炎や耳血腫といった難治性の病気につながることもあるので、早めに治療してあげましょう。
耳の中は飼い主さんも見ることができ、比較的気づきやすい病気です。ぜひ、愛犬の耳の中を定期的に覗いてあげてください。