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ねこさんの病気について KNOWLEDGE
肥大型心筋症
飼い主さんの声
最近元気がなく、じっとしている時間が多い。
肥大型心筋症
当院の獣医師より
心筋症とは、心臓の筋肉の異常によって心臓の機能が低下していく病気のことを言います。猫の心筋症は肥大型心筋症(HCM)、拡張型心筋症(DCM)、拘束型心筋症(RCM)などに分類され、その中でも肥大型心筋症は最も数が多い心筋症です。この病気の怖いところは症状が非特異的で、飼い主さんから見て健康な猫でも15%程の割合で発症しているという報告もあります。また遺伝的な要因もあると言われ、メインクーンやラグドール、アメリカンショートヘアなどの猫種で遺伝性が疑われています。高齢の猫に限った病気ではなく、6ヶ月齢〜20歳までどの年齢でも発症する可能性があります。
今回の症例は全身検査で心疾患が疑われ、心エコー図検査で肥大型心筋症と診断しました。心臓の負担を減らすようなお薬を使うことで良好に維持できています。以下、肥大型心筋症について説明します。
症状
なんとなく元気がない、食欲がない、よく吐くなどの症状で、猫の性格によっては飼い主さんが気づきにくいことが多いです。臨床症状が出たときには、呼吸困難やチアノーゼなどの重篤な症状の他、胸水、肺水腫、血栓症などすでに致死的な状態のこともあります。
検査
- 身体検査、問診
- 画像検査(レントゲン検査、心エコー図検査)
- 血液検査
治療
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心不全兆候がない(落ち着いている)場合
過剰になっている心臓の働きを休めるお薬や、血管を広げ血圧を下げるお薬を使って心臓の負担を軽くします。また、血栓傾向にある場合は血栓予防のお薬を、胸水や肺水腫の経歴がある場合は利尿剤を使って状態を維持していきます。
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心不全兆候がある場合
急性期には肺水腫、胸水、動脈血栓塞栓症などの致死的な病態になっていることが多く、入院して集中的な治療をする必要があります。治療の効果があり急性期を脱することが出来れば、上記のような投薬での維持を目指します。
予後
予後は個々によって差がありますが、心不全兆候が出ている場合はあまり良くありません。無徴候の症例でも心不全や血栓症、不整脈などを発症し、突然死する場合もある怖い病気です。若いから、元気だからと言っても安心はできないので、ご心配な方は一度心エコー図検査を含めた健康診断をお勧めします。