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ねこさんの病気について KNOWLEDGE

膀胱炎

飼い主さんの声

飼い主さんの声 飼い主さんの声

何度もトイレに行っているが、少ししか尿が出ていない。

膀胱炎

当院の獣医師より

何度もトイレに行って頻繁に排尿したり(頻回尿)、排尿時に痛みがあって排尿しづらかったり(排尿痛)することを排尿困難と言います。排尿困難は下部尿路系か生殖器系に関連する疾患で起こります。一方で、尿量が増加してトイレに行く回数が増える多尿とを識別することは、疾患を鑑別する上で重要になります。
猫の排尿困難は動物病院でよく遭遇する病気の一つです。今回の症例は家庭環境の変化によるストレスが原因と思われる特発性膀胱炎でした。特発性膀胱炎とは細菌感染や尿路結石などの明らかな原因がない膀胱炎のことで、猫の下部尿路疾患の半数を占めると言われています。自然に治ることもありますが、症状が続く間は不快感や痛みで生活の質が低下するので早めに治療をしてあげる必要があります。

排尿困難の鑑別疾患

  • 特発性膀胱炎
  • 尿路感染症
  • 尿石症
  • 尿道閉塞
  • 腫瘍
  • 神経障害
  • 外傷性など

症状

排尿痛(排尿時に痛がって鳴く)、少量頻回尿、血尿、トイレ以外での排尿など

リスクファクター

  • 多頭飼育
  • ドライフードのみの食事(摂水量が少ない)
  • トイレが気に入らない
  • 肥満傾向
  • 性格(神経質、怖がり)
  • 運動量が少ない

検査

  • 尿検査
  • 身体検査
  • 画像検査
  • 血液検査

治療

  • 環境改善

    (1)飲水量を増やす
    常に清潔な水を与える、食事をウェットフードに変える、お水の数を増やす、器の種類を変える、など
    (2)トイレの環境を整える
    トイレは猫の数+1個以上用意する、猫砂をこまめに交換する、トイレのサイズを大きくする、など
    (3)ストレスの少ない環境にする
    高い場所(見下ろせる場所)を作る、隠れる場所を作る、狩猟本能を満たせる遊びをする、爪研ぎを用意する、出来るだけ来客を避ける、など

     

    様々な角度から、可能な限り猫のストレスを減らせるように環境を改善することが、治療と予防に繋がります。

  • 食事療法

    加水分解ミルクプロテインなど、猫のストレスを軽減させる成分の入った療法食を与えます。この療法食は治療にも予防にも効果があるので、症状が落ち着いた後も使い続けていきたい食事です。また、同様の成分などを含むサプリメントも使うことがあります。

  • 鎮痛

    膀胱の痛みや排尿時の痛みを軽減するために鎮痛薬を使用する場合もあります。痛みを放置すると生活の質が落ちるだけではなく、尿道閉塞のリスクが上がったり治療が長引く可能性があります。

予後

特発性膀胱炎は命に関わるような病気ではありません。しかし、一度発症してしまうと再発のリスクを常に抱えて生活しなければなりません。治療の欄で述べたような生活環境の改善で発症の予防にもなるので、ぜひ一度環境の見直しをしていただければと思います。