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ねこさんの病気について KNOWLEDGE
甲状腺機能亢進症
飼い主さんの声
最近便秘気味で痩せてきた。歳を取ってきたので健康診断をしたい。
甲状腺機能亢進症
当院の獣医師より
高齢になると体重が減少することはよくありますが、病気が原因なのか、生理的な範囲内なのかを診断することはとても大切です。様々な病気が体重減少を引き起こすため、体重減少の原因を突き止めるためにはスクリーニング検査(血液、レントゲン、尿検査などの幅広い検査)が必要となります。
この症例は検査の結果、甲状腺ホルモン値の上昇や高血圧が見つかり、甲状腺機能亢進症であることがわかりました。その後、甲状腺疾患用の療法食と血圧降下薬で治療を行い、甲状腺ホルモン値や血圧の正常範囲への低下、体重の増加も認められました。
以下、体重減少の鑑別疾患や、甲状腺機能亢進症について説明します。
体重減少の原因
- カロリー摂取の減少(食欲不振・口腔内の障害・食餌不足など)
- 栄養の消化吸収不良(膵外分泌不全・小腸疾患など)
- 栄養分の損失(蛋白漏出性腎症、腸症、糖尿病など)
- カロリー消費の増加(甲状腺機能亢進症、感染症、悪性腫瘍、心不全、外傷など)
- カロリー産生の減少(肝不全など)
- 生理的な要因(妊娠・授乳・激しい運動・寒い環境下など)
甲状腺機能亢進症の症状
- 体重減少
- 多食
- 活動性の亢進
- 嘔吐、下痢
- 多飲多尿
- 被毛の祖剛(毛並みが悪くなる)
- 食欲低下
- 高血圧など
必要な検査
- 身体検査
- 血液検査(血液化学検査、甲状腺ホルモン値)
- 画像検査
甲状腺機能亢進症の治療
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食事療法
甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素を制限している療法食を使用することで、甲状腺ホルモンの値を正常化します。
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内科療法
過剰になっている甲状腺の機能を抑える薬を使います。また、高血圧や頻脈がみられる場合は血圧降下薬などを併用します。腎臓病、心臓病などを併発している場合もあり、それぞれに応じた治療を行っていきます。
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外科療法
内科療法の副反応で治療が続けられない場合や、内科療法の効果が見られても投薬や検査のストレスを軽減したい場合には甲状腺切除手術を行います。
予後
腎臓病や心臓病を併発していなければ、うまくコントロールできる場合が多い病気です。猫の性格によって療法食を受け入れてくれなかったり、投薬が続けられない場合もあるので、治療を続けられるかどうかが予後に大きく関わってきます。
甲状腺機能亢進症は食欲が増えたり活動性が増したりと、一見病気には見えない症状が出ることもあります。高齢の猫で、最近ご飯をよく食べるのに体重が減ってきた、すごく元気で大きな声で鳴くことが増えた、などの様子がある場合は、一度診察をお勧めします。