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ねこさんの病気について KNOWLEDGE

再生医療が奏功した胆管肝炎

飼い主さんの声

飼い主さんの声 飼い主さんの声

3日前から元気、食欲がない。尿の色が濃く、皮膚が黄色い気がする。

胆管肝炎

当院の獣医師より

血液中にビリルビンという色素が多くなり、皮膚や白目の部分、尿などが黄色くなる状態を黄疸と言います。黄疸は肝臓の病気が原因と思われがちですが、詳しくは原因別に肝前性(溶血性)、肝性、肝後性(閉塞性)に分類され、それぞれの鑑別が重要になります。

今回の症例では血液検査、超音波検査、CT検査などの総合的な判断から重度の胆管肝炎による肝性の黄疸が疑われました。様々な治療を試みましたがなかなか良化が見られず長期の入院となりましたが、再生医療による治療を行ってかなりの改善が見られ、現在は投薬治療で元気な状態を維持しています。

再生医療はまだまだ研究途中の分野ではありますが、手を尽くしても治らない難しい病気に対する希望の一手として期待がもてる治療法です。

再生医療の対象疾患(猫)

  • 慢性腸症
  • 胆管肝炎
  • 膵炎
  • 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
  • 膵炎続発性糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 急性腎障害
  • 喘息
  • 非感染性髄膜脳脊髄脳炎
  • 外傷性脊髄損傷
  • 関節炎(変形性関節症、免疫介在性多発性関節炎)
  • 天疱瘡(尋常性、落葉状)
  • 慢性口内炎
  • 猫伝染性腹膜炎 ※wet型のみ

再生医療の方法

人工的に分離・培養された幹細胞を、点滴とともに血管から投与します。投与中の1〜2時間は点滴が外れないようにじっとしておく必要がありますが、獣医・看護師が保定しますので麻酔は必要ないことがほとんどです。投与に痛みは伴いません。

安全性について

再生医療の副作用として肺血栓塞栓症や一過性のアレルギーが報告されていますが、これらの有害事象は薬剤の併用や投与手段の留意によってほとんどが回避できます。

再生医療の有効性

長期の治療で改善が見られない、薬の副作用で長期治療ができないなど、難治性の病気に対する新しい選択肢として研究が進められています。病気によって度合いは異なりますが良好な結果が次々と報告されています。

当院は動物再生医療技術研究組合に加入し再生医療に積極的に取り組んでいます。ご興味のある方は獣医までご相談ください。

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