外来診療時間
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診療検査・手術通院中の方の再診
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いぬさんの病気について KNOWLEDGE
肝臓腫瘍からの出血
飼い主さんの声
急に発作が起きて、力が入らずぐったりしている。
肝臓腫瘍
当院の獣医師より
発作が起きたと思われた時、それが筋肉の痙攣を伴うような「てんかん発作」なのか「失神」なのかを判断することは重要です。なぜなら、「てんかん発作」と「失神」では初期対応が全く異なってくるためです。もし余裕があれば、発作時の動画を撮ってもらえれば、非常に有用な判断材料となります。
今回の症例では身体検査にて、虚脱・粘膜色蒼白・体温低下が認められ、ショックによる失神が疑われたため早急な検査を行い、肝臓の尾状葉尾状突起にできた腫瘤からの出血が確認されました。一般状態を安定させ、腫瘤摘出を行い一命を取り留めることができました。以下肝臓腫瘍について説明します。
鑑別疾患
- 肝細胞腺腫
- 肝細胞癌
- 胆管癌
- 結節性過形成
- 転移性腫瘍
- 変性性疾患など
症状
肝臓は予備能力に優れているため、何の症状もなく偶発的に腫瘍が見つかることが多いです。血液検査が正常であることも珍しくないため、著しく腫大した腫瘍が破裂し出血して初めて見つかることもしばしばあります。
検査
- 身体検査
- 血液検査(CBC、血液化学検査、凝固系検査)
- 画像検査
- 病理組織検査・細胞診検査
治療
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外科手術
外科手術が第1選択となります。肝臓の腫瘍ができた部位によって、外科手術の難易度が大きく変わり、肝臓の右側には門脈や後大静脈といった大きな血管が隣接しているため難しい手術となります。特に尾状葉は後大静脈に強い接着をもつ唯一の肝葉であり、解剖学的なバリエーションが多彩であることから、最も難易度の高い肝葉と言われています。当院では超音波破砕吸引装置(SonoCure)や、外科手術用エネルギーデバイス(THUNDERBEAT)の導入により、旧来より短い時間で安全に手術することができるようになりました。
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放射線療法
近年照射技術の発達に伴い、肝細胞癌に対して放射線治療が可能になってきていますが、未だ獣医療では報告が少ないです。
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化学療法
肝細胞癌に対する化学療法薬の候補として分子標的薬の研究が行なわれていますが、未だ報告が少ないです。
予後
肝細胞癌の場合は他の悪性腫瘍と比べて、比較的に進行が穏やかで多臓器への転移もまれと言われています。完全切除で完治の可能性があり、不完全切除でも数年の生存の可能性があります。
一方で、胆管癌は局所再発率や転移率が高く、多くが6ヶ月以内に亡くなってしまいます。