外来診療時間
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いぬさんの病気について KNOWLEDGE
嘔吐(膵炎)
飼い主さんの声
昨日の夜から吐いている。今朝はご飯を食べず、元気もない。
膵炎
当院の獣医師より
嘔吐の原因は多岐にわたり、症状の程度にも大きな差があります。また、症状が嘔吐のみの場合と、ほかに食欲不振や下痢、発熱などがみられる場合とでは病気の原因や重症度が異なることも多くあります。飼い主さんからの細かな問診や様々な検査によって慎重に診断を進めていきます。
今回の症例では、血液検査で膵炎を示唆する犬膵特異的リパーゼが高く、他の炎症を示す数値も高かったので、膵炎と診断しその日から入院治療となりました。点滴や抗生剤、制酸薬、犬膵炎急性期用抗炎症剤などの集中治療で一般状態は良化し、一週間ほどで退院することができました。
以下、嘔吐の鑑別疾患と膵炎について説明します。
嘔吐の鑑別疾患
- 食事性(食あたり)
- ストレス
- 消化管内異物
- 感染性(ウイルス、細菌など)
- 膵炎
- 出血性胃腸炎
- 腎不全
- 肝不全
- 副腎皮質機能低下症
- 糖尿病性ケトアシドーシス
- 炎症性腸疾患(IBD)
- 腫瘍など
症状
嘔吐、食欲不振、活動性の低下、下痢、腹痛など
検査
- 身体検査
- 血液検査(CBC、血液化学検査、犬膵特異的リパーゼ、CRP)
- 画像検査
治療
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輸液
膵炎は全身性の炎症を引き起こす疾患で、輸液療法が脱水を改善したり全身の循環を整えたりするために必要な治療法になります。
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投薬
嘔吐を抑える制吐薬や、腹痛を和らげる鎮痛薬などを使います。また、炎症を抑えるために抗炎症薬を使うこともあります。近年承認された犬の急性期膵炎用抗炎症剤なども使用しています。
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栄養管理
膵炎の治療として以前は絶食が推奨されていましたが、近年は長期の絶食は予後を悪化させる危険性があるため可能な限り食事を採ることが勧められています。自力での食事が難しい場合は経鼻カテーテルを使用することもあります。脂肪分が少なく消化にやさしいリキッドや缶詰タイプの食事を使うことが多いです。
予後
犬の膵炎の予後は様々で、初期の重症度や他に併発している疾患によって異なります。そのため、初期の段階で診断だけではなく重症度にあわせて適切な評価・治療をすることが大切です。また、治療後も再発することが多く、今回の症例も数ヶ月おきに何度も入院治療が必要でした。